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0716 16:43 12075 一宮GS 18:05 12121 国一 19:40 12157 亀山カッパ 21:05 12216 月ヶ瀬温泉
七月十六日 昨日仕事が終わったので、かねてから計画していた四国うどんツーリングに行こうとしていたが、寝る前から雷がバリバリ鳴っていて、天気予報は三日間雨。あきらめていた。 ところが、朝起きたらひどい曇りではあるものの、降り続いている様子でもない。代償行為気味に、家族を近所の鍾乳洞に連れて行ったりもしたが、高速道路を走ったらツーリングに行くライダーがたくさんいていやでもそそられた。連休なのだ。 我慢できなくなり、午後から準備を始めて、十六時すぎに出立する。
午後四時半すぎ、近状のガソリンスタンドで満タン給油をして、トリップをゼロにする。 生憎にも家を出た頃から降り始めた。防水・カッパの完全武装で動き出す。 今回のコンセプトは「雨など無視で」である。
木曽川堤防に出て、荷物や装備を調整しつつ南下。携帯ナビとシガーソケットを接続して起動。このセットは大変役立った。 堤防途中で雨が止み、いったんカッパを脱いでジャケットとジーンズ姿になる。カッパにはプロテクターが入っていないがジャケットにはあるので、できればジャケットが望ましい。 雨のおかげで暑くないのが不幸中の幸い。
午後六時ごろ、国道一号で桑名に到着。大きなスポーツ用品店を見つけたので、足りていなかった電池とバーナーのガスボンベを買う。一ヶ月ぐらいかけてちゃんと買い集めていたのだが、いざ持っていこうとすると見つからなかったので困った。
国一は長距離向きの道路じゃない。むやみと込んでいたので23号に移って亀山を目指す。亀山手前で日が暮れたので小休止。行く手の西の空には真っ黒な雨雲が垂れ込めていたので、ここで再びカッパを着用した。 結果から言えばこれははずれで、野営地まで降らなかった。
亀山から国道25号に乗る。これは国道とは名ばかりで、実態は高速道路に等しい。荷物が落ちないか心配しつつ走る。 途中、伊賀SA(道の駅いが、と看板があったが、どこが道の駅だSAだろ)で野営地を悩み始める。 野営の鉄則は日暮れ前に場所を決めることだが、今回は家を出るのが極端に遅かったので、どこまで行ってどこで止まるかの見当がさっぱりつかず、行けるところまで行くつもりで出てきた。ここで携帯ナビが活躍し、温泉の二文字を発見する。月ヶ瀬温泉である。きっと人口の少ない村が補助金もらって一生懸命作った山の中の綺麗な保養施設みたいなところなんだろうなあと思って行ったら、その通りだった。
しかし八時半しめきり。衝撃が走る。到着は九時五分で、もちろん入れてもらえない。 やむをえず、風呂はあきらめたが、野営地を今から探すのもなんなので、掃除中のスタッフの人に頼んで、駐車場の隅でテントを張らせてくれと頼む。快くオーケーしてもらった。 テントを張ってからちょっと下って、村の中心でビールを買って戻る。風呂はないが屋外トイレを使わせてもらえたので、歯磨きも洗顔もできた。十分。 そんなわけで十一時のいま、これを書いている。寝る。
と、書いたあとで東京に電話したりして、結局就寝は12時ごろだった。PHSが伊賀の山奥まで届くようになったとはほんに憎らしきことよ。 それで寝たのだが、寝られない。むやみやたらと肌が湿って恐ろしく不愉快。寝袋をかぶれば暑く、脱げば寒い。そうやってばたばたしていたものだからほこりが湧いてぜんそくが顔を出す。喉が詰まる。さらに蚊まで入ってきた。外を見ると濃い霧で、バイクにもフライにも露がびっしりついている。午前三時まで脱いだり着たり、開けたり閉めたり手を尽くしたのだが、なんともならず、頭痛や吐き気まで湧いてきて、弱気になった。もうほんとに荷物をまとめて撤収しようかと思った。なんでこんな山奥でいらん苦労をしているのかと。 どうしようもないので意を決して、せめて呼吸だけでも楽にしようと、外に出ることにした。長短二枚のシャツを重ね着して、近くの売店のひさしの下に寝袋を持っていって、露天でごろり。 蚊には刺されたが、結果としてはこれが正解で、短い時間だが非常に快適に眠ることができた。 教訓:テントはあくまでも雨除け・保温の室と心得るべし。気温が高く雨避けの必要がなければ固執するな。
0717 05:55 起床 06:40 出発 07:35 12250 高峰PA 08:10 12277 香芝SA、8.6l給油。 09:50 12330 泉佐野フェリー埠頭。
六時前、トラックがやってきて目を覚まされた。降りてきたおっちゃんに挨拶すると、いいから寝とれ、言われる。いや六時に起きるつもりだったので、と起床。おっちゃんは売店の鉢植えの世話して去って行った。 撤収作業の30分間の間に、売店(正確には直売所)に入れ替わり立ちかわりさまざまなおっちゃんおばちゃんが軽トラで現れ、開店の準備をする。起きといてよかった。 6時40分にジャケットで出発。 名阪国道を走っている間は降らなかった。一時間あまりで高峰PAに着く。霧深い吉野熊野の山中を貫く道が突然終わって、豁然と奈良盆地の景観が現れるのがここである。これが見たくて名阪を走ってきたようなものだ。明るいもやの底に町があって穏やかな光景だった。 PAを出る前に積荷確認をして、九十九折れの難所を下る。盆地に入ったとたん気温が上がって辟易する。山中と下界とで五度は違ったと見た。 奈良で知人と会うつもりもあったが、時間帯があわずに断念。 奈良盆地を過ぎたところで給油、8.6リッター。トリップは202Km、燃費は22Kmぐらい。街乗りと2、3キロしか変わらん。街では回しすぎ、旅では飛ばしすぎだからだろう。といっても80Km巡航だけど。 高速で見かけるのは身軽な大型バイクばかりで、こんな山のように荷物を積んだSRは一度も見ていない。みんな軽々と追い抜いていくがこっちは青息吐息だ。今回のSRのつらい要素をランク付けすると、一位が座席の狭さから来る尻の痛みで、二位が振動障害、三位が雨のせいの面倒くささ、四位がキックスタートのしにくさ。暑いときにいったんエンジンを切るとキックしてもかかりゃあしないので、ルマン並みの押し掛けがデフォルトになってしまった。 で、第五位が遅さ。五速3500回転80Kmの巡航が限度で、それ以上は振動だの風だのスロットルの抵抗だののせいで出す気になれない。 将来も使い続けるならば、これらの不満点を一つなり二つなり抑えるようにするしかないと感じている。荷物を積み過ぎないとか、あまり遠くには行かないとか。でなければもっと使いやすいバイクに買い換えたいところ。これ全部我慢するのは無理だよ。
南方の泉佐野港のフェリーに乗るつもりで、そのように案内せよと携帯ナビに命じていたのだが、途中で高速道路が北を向く。さてはこやつまた知ったかぶりだなと思って、藤井寺というところで高速を降りた。携帯ナビはカーナビにくらべておつむが足りないので、しばしばうそをつく。 だが今回は携帯ナビがあっていた。高速はちょっとだけ北を向いてから、南向きのジャンクションにつながっていたのだ。300円損した。 この辺りでまた雨が降ってくる。道はわからないし荷物は重いしエンジンはかからないし雨は降るしで、かなりまた弱気になる。生きて帰れないような気になる。そんなことではいかんので、コンビニでチョコレートを買って一気食いする。糖分のご利益で無理やり楽しくなろうという小知恵だ。さらにキャンプ場を予約した。泊まる場所が確定しているといないとでは、気楽さががぜん違ってくる。 少し気分が持ち直すと、藤井寺ICにもう一度乗って泉佐野を目指した。 雨中の高速走行は3割ぐらい運を天に任せている気分。自分で乗り物を制御している気がしない。横を大型トラックなんぞ通ろうものならカッパが風を食らってえらい振られるし、それが湾岸の橋の上なんかだと車線からはみ出しそうになる。まるで気が抜けない。 けれども泉佐野に近づくと雨が上がって気が晴れる。しかし気温もあがって汗だくになる。あまり言いたくないが、室内干しの洗濯物状態になっている。
9時50分、泉佐野フェリー乗り場に着き、乗る。出港は10:10の由、絶妙のタイミングだった。料金は人馬込みで2800円。 関空への大きな橋の下を通って淡路島に向かう。その船中で今日の前半分を書いている。
話がちょっと戻るが、高速での料金収受にETCがついたせいで死ぬところだった。 ここまでニ、三度、料金所で金を払ってから、財布をしまったりグローブをはめたりするために、数メートル前方の左側へバイクを寄せてハザードを焚き、後続車の場所を空けてやる、ということをしていた。 が、よく考えるとその中にはETCと非ETCが同じレーンを使っているところもあった。つまり、後ろから時速百キロの車が突っ込んできてもおかしくない狭いところでハザード出して止まっていたわけだ。これは本当に馬鹿だった。
17:08 12450 野営地着 11時40分、淡路島の津名に到着。国道28号で南を目指す。12時、淡路島位置の都会である洲本に着く。昼食を取れる店を探す。海辺だし、刺身定食なんかが食べたかった。 が、洲本の飯屋はどこもここも丼か中華そばばっかりで、やる気がないとしか思えない。公営市場は過去の遺物。すし屋と割烹はあったけど高すぎる。そういうのに入りたいんじゃない。 まるまる一時間うろついて、あきらめかけたころに、海鮮の魚増というお店を見つけた。千円以下でずらりと魚系のバリエーションが並んでいて、店内には地元の家族・観光客・漁師が詰め掛けて盛況だった。念願の定食を食べて満足。
メシ食ってからさらに南下。このあたり、降ったりやんだりが激しくて、ほぼカッパを着用しっぱなし。けれども昨日雨の中を出発したときから、所詮水だろうという乱暴極まりない態度を取ることに決めていたので、もはや降っていようが止んでいようが関係ない。降らば着る、止めば走るだけ。 14時、鳴門海峡に到着。生まれて初めて鳴門岬に言った。岩盤のけわしい岬がまるまる道路と展望台で覆われていて、改めてやりすぎ感を覚える。 鳴門大橋を渡る。この橋は高速道路の一部なので一つ前のインターから上がったのだが、橋の手前から「風強し 二輪転倒注意」「二輪転倒注意」「強風につき二輪転倒多し(大看板)」と三連発で脅してきた。実際、端の部分は欄干が素通しなので、こけたら落下してもおかしくない。というかこういう看板は過去に事故があったから出されているはずだ。こけた人はどうなったんだろう。恐ろしい。 何分、雨、風、大荷物、SRと四拍子揃っていたので、ハザードを出して時速六十キロでのろのろ走るという、チキンっぷりを披露させていただいた。無事通過。 鳴門インターから海沿いの国道11号で香川を目指す。海岸から行く手を見て気分がどん底になる。闇の軍勢でも攻めてくるのかってぐらい空が真っ黒だったから。 15時、ついにうどんの国・香川県に入る。それとほぼ同時に豪雨襲来。今までのは雨じゃないってぐらい豪快な雨。タンクバッグの携帯ナビが見えなくなる。 そこへ讃岐のうどん屋第一号を発見したので、飛び込んだ。
15時19分、讃岐うどんを食べる。このために雨の中、名古屋から来た。 入るとセルフサービスだったので少しがっかりしたが、麺は手打ちだし、それに安い。ひと玉220円って。卵その他乗せても350円。大丈夫かうどん屋。 本場だけに生存競争が進んで、ぼったくり店が淘汰されたのだろう。にしても他人事ながら経営が心配。 素うどんはなんというか、まるで飾り気のない代物だったけど、さすが讃岐、コシがすごかったわ。満足でした。
店を出ると雨脚いよいよ激しく、バイクで走るのは単に移動というより苦行の様相を呈してくる。16時、再び給油、7.2リッター。1リッター128円でうちの地元より安い。 16時半、本日の野営地であるみろくキャンプ場に着く。しかし驚いたことに、今日の客は俺だけだという。 管理人すらいないので、キャンプ場全体が貸切になってしまった。てなわけで、雨のかからない炊事場に堂々とテントを張って、先ほど温泉に入ってきて、今飲みながらこれを書いているところ。 自宅からの距離は375キロでした。東京行きとほぼ同じだが、二日かかった。 しかし明日は一日で帰宅する予定。ハードだ。
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0718
06:00 起床
07:40 12458 出発
09:30 12487 高松港着
14:20 神戸三宮着
15:15 グローブを買う
16:00 12535 吹田SA 5.3l給油
17:40 12640 多賀SA
19:30 12714 帰宅
四国、みろくキャンプ場にて朝6時起床。
暑くなく寒くなく濡れもせず、非常に快適な一晩だった。目が覚めると誰もいない森の中に鳥の声だけが響き渡っている。まさにこの一夜のために俺はキャンプを選んだのだなあと感動し、湯でスープを作ったりしていると、ジャージのおっさんが突如通過。
「おはようっ」「あ、おはようございます」
その後も数人のジャージ男女が洗い場の横を速歩で通っていった。近所の散歩コースになっているらしい。なんだよ人跡未踏だと思ったのに。
四国-愛知県間の距離は直線で280Km。道のりでも350Km程度だと思うが、正直いまの体力と装備で、雨の道を走りぬく自信がない。少し楽をしたい。高松-神戸間のジャンボフェリーに乗ることに決定。
7時40分出発、最初のうちは曇り。小さな丘の重なり合う讃岐平野独特の景色を堪能。
途中で二食目のうどんを食べる。肉うどん、560円ぐらいだったかな。美味。
9時半に高松港到着。高松市の北東部にはテーブルマウンテンを思わせる妙な岩山があったので、ちょっと登りたかったが、時間がなくて断念。
この辺りでバイク屋に入るつもりだった。名古屋から使ってきた安物のグローブがぼろぼろになり、染料が流れ出して手が真っ黒になっていた。しかしフェリーの乗船が10時だというので断念。
高松ジャンボフェリーは3800円。待合室でも船内でも、地方のスーパーのテーマソングのような調子の歌がエンドレスでかかっていていらいらした。神戸と高松に引き裂かれた恋人たちが互いを想う心をフェリーに託すといった歌詞の歌。しかし周りにいるのはひげも剃っていないトラックの運ちゃんばかり。
10時過ぎにフェリーは出発。正午、船内売店にて、この旅で三食目のうどんを食す。売店嬢が恐ろしく愛想の悪い人物で、気分を害した。フェリーよ沈めとまでは言わないが、船酔いぐらいにはなってほしいところだ。いや、船酔いだから無愛想だったのか?
雨の瀬戸内海を三時間少々かけて神戸まで横断。アーサー・ランサムの分厚い「ヤマネコ号の冒険」を苦労して持ってきていたのが、ここでようやく役に立った。
午後三時、神戸にてバイク屋を探し、グローブを買った。ハンドルを握る感触ががらりと快適になった。
ここから阪神高速に乗って、一路、名古屋を目指す。
高速走行を始めると、なぜか驚くほど安定感がある。新しいグローブのせいかもしれない。いや、昨日までゴムロープ一本で縛っていた荷物を、念を入れて二本がけにしたせいで無意識に安心していたのかもしれない。とにかく、前日に泉佐野の辺りを走っていたときよりずっと楽になり、平均時速90Km以上で走る。
四時前に名神に入ったあたりから、もう無性に楽しくなってきて、走りながらにやにや笑う。雨がいよいよ強く、トラックだのバスだのがばしゃばしゃ水を浴びせてくるのだが、それでも楽しい。このまま東京まで行けそうな気がしてくる。
無根拠にこんなに楽しいのはおかしいと考え始める。出した結論はランナーズハイ。きっとあまりに環境が苛酷なので、アドレナリンだかエンドルフィンだかが緊急放出されて楽しくなってしまったのだと思う。時速百キロで脳内麻薬を出しまくったのは少々やばかったかもしれない。
四時、吹田SAで最後の給油をして、あとはひたすら走る。
二時間後に差し掛かった関ヶ原のあたりでは、雨というより水煙が道路上に渦巻いていて、冗談でなく危険な状態だった(その場では薬漬けで気づかなかったが)。自分と、もう一人ハーレーの後ろに巨大な箱を積んだキャンプ野郎っぽい男性とで、自然編隊を組んで走っていたのだが、あの関ヶ原のアップダウンの途中で、流れを縫って走ってきた一台のシルバーウイングに、いきなりぶち抜かれる。どう見ても140近く出していた。無謀な人間もいるものだ。
高速を走っていけば自宅から1キロ以内のところまでたどりつけるのだが、それではツーリングとしてつまらない。6時半、岐阜羽島インターで降りて、下道で自宅へ向かう。
木曽川は大増水で、堤防のあちこちに国交省職員がいた。この頃にはこちらも靴先からメットの中までびしょ濡れだったので、雨中立ち止まって写真を撮ったりした。
途中スーパーによって食材を買い、帰宅。土産のうどんに具をじゃんじゃか乗せて家族に食わせた。
データ:
走行距離 639Km
消費燃料 28.4L
燃費 22.5Km/L
転倒回数 0回
うどん 三回つるつる。
タイヤ 溝がつるつる。替えないと車検が_| ̄|○
讃岐で食べた肉うどん。すり鉢でゴマをすったの、初めて。
高松港にて巨大なタンクの海上輸送を見る。LPG船かなにかの艤装物だったらしい。
最終防水形態。土砂降りにも関わらず、携帯ナビを最後まで濡らすことなく運用できたのでよかった。
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